第7話 筋弛緩剤
母が目を開きだし、体を動かしていると
自発呼吸もだんだんと出てくるようになってきた頃のある日
夜、0時くらいから母の呼吸がハッハッと上がるようになってきて
呼吸器がピーピー鳴り止まない。
体を触り、熱があるようではないし、検温しても発熱はなし。
でも、顔を赤らめて息が上がって冷や汗をかいている。
人工呼吸器がピーピー鳴るので
看護師さんも来てはくれるがどうにもできない様子。
母が苦しそうにしているので
「夜勤の医師を呼んでもらえませんか」
そう訴えても呼んでもらえる気配もなく
呼吸器はピーピー鳴り続け、ハァハァと息が上がってくる。
再度、訴えると
「バッティングしているからしょうがないでしょヽ(`Д´)ノ」
怒鳴り返される。
バッティングってなんだよ。。。
対処できないなら医師を呼んでよ。。。
その後も看護師さんが人工呼吸器をいじるもピーピー音は鳴り続け
母はハァハァと息苦しそうなまま3時間ほど
経ってからようやく夜勤の医師を呼びに行き
医師が人工呼吸器の設定を調整すると
ピーピー鳴るのは収まり、母も呼吸が楽になって落ち着いた。
その時、医師がポツリ
「これ以上なったら、筋弛緩剤だな」
筋弛緩剤って筋力を弱める薬では???
医師はポツリ独り言のように言うと
すぐに出て行ってしまいました。
翌日の夜勤の医師がとっても親身で
分からないことがあると丁寧に教えてくれるので
とっ捕まえて、聞いてみると
医師;「自発呼吸が出てくると、人工呼吸器の呼吸と合わなくて
息が苦しくなることがある。それをバッティングと言います。
人工呼吸器を外せるほどの自発呼吸がなく
バッティングを繰り返すと筋弛緩剤で呼吸の筋力を弱めて
自発呼吸を弱めることもします」
私;「なにー!?それではせっかく回復してきたのを
弱めるとはどういうことですか!!」
医師;「今の医学ではそれしか対応ができないのです」
折角出てきた自発呼吸。
でも、出てくるが故に苦しくなるでは。。。
どうすればいいの (╥_╥) (╥_╥) (╥_╥)
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